「Wordぐらい使いこなしとるわい!」とイキっている人を「せめてこれぐらいは使ってくれや」と優しく諭すブログ

「Wordぐらい、余裕で使いこなしとるわ!」と勘違いしている人を、やさしく諭します。

「ページ設定」の「行数」の意味、わかっとるか?

「ページ設定」の「行数」の意味

「ページ設定」ダイアログボックスで1 ページあたりの行数を指定する

「レイアウト」タブの「ページ設定」グループにあるダイアログボックスランチャーをクリックするわな。

そしたら、「ページ設定」ダイアログボックスが出てくるわ。

これやな。

画像では、「文字数と行数の指定」を「行数だけを指定する」にして、「行数」を「40」に設定しとる。

で、この設定を反映させたら、

ほれ。この通り。キッチリ40行になっとるわな。

でもこれ、〝たまたまうまいこといっとるだけ〟って、お前ら、理解しとるか?

「標準」スタイルの「段落」設定を確認する

さっき画像で示した文書(笑)の各段落のスタイルは「標準」スタイルやねん。

そやから、ちょっと遠回りになるか知らんけど、「標準」スタイルの「段落」設定から見ていくで。辛抱してついてきてや。

「ホーム」タブの「スタイルギャラリー」のところ、「標準」スタイルのアイコンを右クリックして、「変更」いうところをクリックしてみてくれや。

「スタイルの変更」ダイアログボックスが出てくるから、左下の[書式]ボタンをクリックして、「段落」をクリックしてえな。

表示される「段落」ダイアログボックスをよう見てくれ。

デフォルトやと、「1 ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」いう項目にチェックが入っとるはずや。(お前ら、こんなオプション知っとったか?)

「行グリッド線」って知っとったか?

デフォルトでは、「行グリッド線」は非表示になっとるはずや。

ちょっと表示させてみよか。

おなじみ、「レイアウト」タブ、「ページ設定」グループのダイアログボックスランチャーや。

「ページ設定」ダイアログボックスの下の方に[グリッド線]いうボタンがあるやろ? 迷わずこいつをクリックや。(迷わず行けよ! 行けばわかるさ!)

「グリッドとガイド」ダイアログボックスの「グリッド線を表示する」にチェックを入れたらんかい。

ほれ。帳面の罫線みたいなやつが表示されたやろ? これが「行グリッド線」や。

わかったか? わかってもまだ解散したらあかんど。

Wordの〝行間〟は何で決まるか

さっきの「行グリッド線」。こいつは、「ページ設定」ダイアログボックスで決めた行数(今回の場合は「40」。)に合わせて引かれとるんや。

だから、フォントの〝高さ〟が、「行グリッド線」の高さに収まる限りは、キレイに収まってくれるんや。

ええか、あくまでも「行グリッド線」の高さに収まる限りは。ここがポイントやで。

「標準」スタイルのフォントを「メイリオ」に変えてみる

ここで、「標準」スタイルのフォントを「メイリオ」に変えてみるで。

word-de-ikiru.hatenadiary.com

このときにも言うたけど、ホンマはこんなやり方はあかんねんど。でも、今回は特別や。

こんなふうに、フォントをみんな大好き(お前らも大好きやろ?)「メイリオ」に変える。フォントの「サイズ」は「10.5」のまんまやで。

そしたら、どないなるか。

こないなるねん。

これ、Word使いの間では、

〝フォントを変えたら行間が異様に拡がる心霊現象〟

として有名なんとちゃうか?

でもな、これは理屈で説明がつくねん。全然〝心霊現象〟なんかやあらへんねん。

なぜ〝行間〟が拡がるのか

ほな、理屈で説明するで。

設定の確認

まず、この文書の設定を確認するで。

「ページ設定」ダイアログボックスで見たら、「行送り」が「18 pt」になっとるやろ?

この「行送り」いうのは、〝1 行あたりの行の高さ〟のことなんや。(なんで〝行高〟って訳さへんなんだんやろな?)

次に、「標準」スタイルの段落の設定を確認するで。

「行間」のところが「1 行」になっとるやろ?

これは、

「標準」スタイルの〝段落の1 行あたりの行の高さ〟は、「ページ設定」ダイアログボックスで決めた〝1 行あたりの行の高さ〟(すなわち、「行送り」で決めた高さ。)なんや、ワレ!

ということなんや。(そやから、これも「行間」やのうて、〝行高〟にしといてくれたらわかりやすかったんやな。)

なぜキレイに収まるときと行間が拡がるときがあるのか

ここからが山場やで。お前ら、ついて来とるか?

この画像やと、文字がキッチリ「行グリッド線」の間に収まっとるやろ?

でもこれ、上の方でも言うたけど、〝たまたま〟収まっとるだけなんや。

どういう意味か説明するで。

実は、Wordでは、フォントごとに 固有の行高 というもんがあるらしいんや。

文字の正味の大きさが「サイズ」で、その上下に余白を追加した文字の高さ = 行の高さ、という理解でええと思う。

んで、

この画像の文書(笑)で使うとるフォントは「MS 明朝」。

で、「MS 明朝」の場合、フォント固有の行高は、「フォントサイズの1.3倍」(『疑問解消! しくみからよくわかる Word再入門』2013年・西上原裕明・技術評論社・47ページ)らしい。

んで、画像の文書(笑)の場合、フォントサイズは「10.5」やから、

10.5 * 1.3 = 13.65 < 18

つまり、「行送り」の「18 pt」以内に収まっとるから、キチンと行内に収まっとる、ということなんやな。

そやから、たとえば、今回の設定なら、「MS 明朝」といえど、サイズを「14」にしたら、

14 * 1.3 = 18.2 > 18

で、ギリギリ「18 pt」を超えるから、

こんなふうに1 行あたり2行使うようなことになるんや。

んで、お前らの大好きな「メイリオ」や。

この「メイリオ」いうやつは、〝固有の行高〟が、「フォントサイズの約1.95倍」(同前)もあるらしいんや。

10.5 * 1.95 = 20.475 > 18

余裕であふれとる、いうわけやな。

ちなみに、「メイリオ」といえど、

9 * 1.95 = 17.55 < 18

やから、「サイズ」を「9」まで落としたら、キッチリ収まることになるで。

ほらな。

〝心霊現象〟のカラクリ、わかったか?

「1 ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」をオフにすると

さっき、行間がぐわーっと拡がったのは、「1 ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」をオンにしとったからなんや。

フォントの行高がページ設定の「行送り」を超えてしもたら、整数倍して文字の位置を「行グリッド」に合わせにいくわけや。

……っちゅうことはやで。

「1 ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」をオフにしたらどうなるか。

こんなふうに、チェックを外してみたで。

こんなふうに、フォント固有の行高にしたがって、とにかく詰め込むようになるんや。

そやから、「MS 明朝」の場合、「ページ設定」では「40行」やのに、53行もぶち込まれとる。

逆に、「メイリオ」の場合は、35行しか入らん。

おわりに

どや、お前ら。

Wordで1ページあたりの行数が決まるカラクリ、わかったか?

わかったら、解散!

ほなまた!